地震の発生と被害の深刻さ

地震発生時、私は大学の研究室にいました。人生で経験したことの無い大きく長い地震で、本棚の書籍のほとんどが落下し、机や棚なども倒れ、研究室は散乱状態となりました。その晩は歩いて帰宅しましたが、あふれんばかりの人々が家路を急いでいる姿を見て、非常事態であることを実感させられました。帰宅後、テレビのニュースを見て、絶句しました。宮城県気仙沼市の街が火の海のように燃えていたのです。気仙沼は、義父がいつも愛情を持って語る義父の故郷であり、主人も幼少期を過ごした思い出深い場所です。私自身も4年前に訪れたことがありました。


その後日々流れてくるニュースを見て、恐らく多くの人がそうであったように、被害の大きさと深刻さに圧倒され、無力感を感じていました。学生のころだったら、現地に入ってやれることを探したかもしれません。しかし、今の自分は一歳児の母であり、仕事もある身なので、現実的には無理であるし、また、食料や水、燃料が不足している中、特殊技能がない人間が行っても足手まといになるだけと思いました。震災後一週間、テレビの報道を見ては気分が暗くなり、被災者のインタビューを見ると涙が出ました。



津波の被害を受けた宮城県石巻市


研究と実践のあいだ

私は、普段、開発途上国の社会経済を研究しています。もともとは、考えるよりも先に行動に出てしまう性格で、学生時代は友人たちと任意団体を作り、途上国の草の根NGOの活動を支援していました。社会人になってからも、開発援助の実務の仕事を続けましたが、この世界で仕事をしていくに当たり、その社会で何が問題になっているのかを客観的に分析する能力が自分には絶対的に不足していると感じ、大学院で開発経済学を勉強しました。主なフィールドはアフリカで、現地の産業の構造や農家の行動などを経済学、計量経済学の手法を用いて実証分析し、そこから政策含意を導く仕事をしています。研究と実践の間。その橋渡しになりたいと思って普段から仕事をしているので、こんな非常時に行動できないことが歯がゆく思えてなりませんでした。




現地の復興のために自分が今出来ることは何だろうか。恐らく、資金援助だと思いました。また、注目の集まっている今よりも、被害の報道が収まって人々の関心 が薄れて行く頃の方が、厳しい状態になるのではないかと思いました。さらに、数多くの募金活動が行われている中、募金箱に義援金を入れておしまいではな く、もう少しだけ、現地に対して自分なりにコミットしたいという思いもありました。そこでたどり着いたのが、被災した学生に対する奨学金を設立するという案でした。



なぜ奨学金なのか

被災地の復興には、ありとあらゆるものが必要になることが想像されます。被災した方々が、元の生活を送るために特に重要なのは、産業の復興と職の創出ではないかと思います。そういった支援に携わることができれば一番だと思いました。しかし、その課題はあまりに広範にわたり、自分の立場や能力で手に負えるものではないように思えました。


次に考えたのが、地域再生に長期的に重要な役割を果たす現地の人的資源です。被災した方々がこれから直面しなくてはいけない困難を考えると、子供の教育に資金を回している余裕は無いのではないかと思いました。震災で孤児になってしまった青年はなおさらです。高校までは学費の負担は少ないですが、その後大学や専門学校に進学したいと思ったときに、その夢を断念せざるを得ない青年が多くなるのではないかと思いました。こういう学生に対して、直接的に資金援助を行う奨学金というスキームなら、今の自分でもなんとか実現可能なのではないかと思ったのが、今回、基金を立ち上げることになった背景です。自分自身も、これまで学部、修士課程、博士課程とさまざまな奨学金を頂いて、自分のやりたいことを実現させていくための貴重な機会を与えてもらいました。今回の奨学金設立で、これまでの恩を少しでも社会に還元できたらという思いもあります。


どんな学生に出会えるでしょうか。未曾有の災害を経験した青年だからこそ、本当に真剣に考えて進路を選択していくのではないかと思います。被災した東北関東地域で主要な役割を果たす農業や漁業、関連する加工業、医療や看護、介護、地方行政等々、さまざまな分野に従事したい青年がいると想像します。こういった青年が、今後の被災地の地元復興のために貢献していくことに、この奨学金がほんの少しでも役に立てたらうれしく思います。


皆様の温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。


鈴木綾

 
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